君想論 〜2人のサヤカ〜


―売店前―



あれっだけスタートダッシュを切ったにも関わらずだ。


「げぇ……!!??」


既に売店前には人だかりが出来ていた。

彼らはこの学校の2、3年生。

教室が売店のすぐ傍にあるものだから、彼らは友達と談笑しながらゆったり歩いても、食いっぱぐれるような事態に陥らない。

忌々しい。

ちなみに、桐野くんはそれなりに良いスタートダッシュを切っていると自負しているので、1年生の中では一番早くに売店に到着している、と言う自信がある。


さぁ〜て、グズグズはしていられないぞ。

早く買わないと希望するブツにありつけない。

オレは人混みを分け、売店のオバチャンの下を目指す――………






「すんませーん。パンくださーい」

「はーい、何にしますかー!!??」



まずは大好物のカレーパン。

次に大人気商品・ベーコンエッグパン。

更に少し奮発しちゃう桐野くんは、ピザパン買っちゃうのだ。


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