君想論 〜2人のサヤカ〜

第三節



オレはガッカリを通り越して絶望した。

オレの幸せは、第一歩目から躓(つまず)いていたようだ。

この世に神も仏も恋のキューピットも在るものか!!!!


「いずみん、いずみーーん♪」


“イッセー”こと[爆走少女]は、オレのトラウマ(女と間違えられる)を彷彿させる下の名を教室全体に響かせながら、ツッタカタ〜♪っと、歩み寄って……いや、走り寄って来た。

全力疾走でな!!!!

ギア全開でスタートし、5メートルくらい進んだところで、踵でキキィー!!!!ってブレーキを掛け、オレの眼前へとやって来た。

注目度はバッチリだクソッタレ♪




「……何でお前が出て来るんだよ……??」

「一緒にぃご飯、た〜べよっ♪」


お呼びでないことこの上なし。


「オレは椎名を待っていたんだがな〜……」

「うん♪だからぁ、わたしも〜♪」

「回れ右して帰りなさい」

「いずみーん……何かわたしに冷たくなーい……??」




黙れ!!!!

このAA(ダブルエー)カップが!!!!

貴様の乳に用はない!!!!

椎名ちゃんを出せ!!!!


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