君想論 〜2人のサヤカ〜
それ以前にだ。
「……オレはお前の名前を知らないんだが……何でお前はオレの名前を知ってんだ……??」
「しーなちゃんから聞いたんだぁー。[桐野 泉]って言うんでしょー??」
そう言いながら、オレの前の空席にドサッと座り、昼食のパンを広げ始めた。
えっ……オレ、マジでコイツとランチタイム過ごすの……??
「わたしはねー、[柿金一世](カキガネ イチヨ)って言うんだぁー」
「イチヨ……??」
「うん♪[一](イチ)の[世](セイ)って書くんだっ。だから“イッセー”って呼んでねっ♪」
読者諸君よ。
君達はコイツのセリフを[文字]として認知できるから伝わるだろうが、実際にコイツのセリフを口頭で伺うと全く意味不明だ。
“イチ”の“セイ”で“イッセー”……??
ホワット、ドゥー、ユー、セーイ?
せめて、漢字を教えてくれ……
・・・・
「はいはい。わかったよ柿金さん。じゃあ、オレからも言わせて貰うが、[いずみん]と呼ぶのは止めて貰えないか……??」
「ふにゅ……??」
多少、下の名前にコンプレックスがあるんでね。
「百歩譲って、[桐野くん]と呼びなさい」
「うんー♪わかったー♪」
よーし、お利口さんだ。
「ところで、桐のーん??」
ぶっ飛ばすぞーい!!!???
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