君想論 〜2人のサヤカ〜
―――…………




朝。


「おはようございます……桐野くん……」

(オ゙ぇー……)


ええい、神よ……嫌がらせか……!!??


ここは学校の玄関。

長ったらしい登校ルートをせっせと歩み、学校に到着した早々に現れやがったなコンニャローめ。

相変わらず水色ジャージ姿(制服持っとらんのか!?)の[梧 清花]はちょうど下駄箱から上履きを取り出しているところであった。

鉢合わせちまったよ……


「……どうしたんですか……靴……脱がないんですか……??」

「あぁ……いや……」

「良かったら教室まで一緒に行きましょう……」


どうやら、コイツは穏やかな気性の“清花”の方らしい。

……いや、この際“清花(仮)”と付けておこう。






よし、いいだろう……ちょうどいい機会だ。


[梧 清花]が重度の中二病患者であるか……

それともホンマもんの多重人格者なのか……


この桐野くんが見極めてしんぜよう!!!!




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