君想論 〜2人のサヤカ〜


教室に向かうまでの廊下は[梧 清花]と並列して歩いた。

杖を付いて歩いていることもあり、歩幅はある程度こちらで調節してやった。

でないと会話し辛いんでね。


「お前は売店前で会った時の“清花”でいいんだよな……??」

「はい……そういうコトになりますね……」


公言できない内容を話す時は自然と小声になってしまう。

人間って上手く出来てるよネ。


「ふーん。じゃあ相方の方はどうしてるんだ……??」

「……さっきまでは起きていましたが……お望みならば代わりますけど……」

「いや」


結構、超遠慮、会話し辛くなる。


「……そうですか……」


特に残念がる様子もなく、ポケぇーっとした顔で言った。

……やはり、[見てくれ]ではないようだ。

中二病患者ではあればここで、多重人格者という個性をフルに見せつけるようと考えそうなものだが……真偽は定かではと言ったところだ。




さぁ、教室に着くまでの間に調査開始といこうかね。

[中二病患者]or[多重人格者]

悪いが、矛盾やボロが出てきた時点で、前者に格付けさせて貰うぜ“清花(仮)”ちゃんよ……!!??


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