君想論 〜2人のサヤカ〜
ポケットの中から取り出したモノをヒョイと投げつけてきた。
慌ててそれを受け取ってみると、それは11桁の番号と半角英数が羅列された名刺サイズの紙であった。
「……ナニコレ??」
「マイ、セルフォンナンバぁー、アーンド、メールアードレぇス」
↑発音にこだわっております。
「いやいや、こんなもの突然渡されてもね……」
「良いから黙って受け取っときなミスター。女子高生の連絡先だぞ〜、男だったら食い付けよ」
女子高生(JK)は素晴らしい。日本の男子を元気にしてくれるステキな存在だ。断る理由などない。
しかし、不良と関わりを持ちたくない桐野くんは、連絡先など受け取りたくもない。
[不良]の[女子高生]。
対極する二つの矛盾対決、勝負の行方は……
「……受け取りまーす……」
「ナイス、チョーイス♪」
負けた……
何かに負けた……
でも、今の「チョーイス♪」の部分がちょっと可愛いと思ってしまったことは否めず……
「そんじゃ、私はもう行くわー。遅刻に煩い人もいるワケだし……シーユー」
シーユーって……!!??
ヴォォロロロロ!!!!!!!!!!
再び爆音を響かせ、謎の不良[バイク女]は去って行った……
―――…………