君想論 〜2人のサヤカ〜
第二節
時は流れ、昼休み。
……に、入る前の四時限目終了五分前。
(さてと……)
前に何度も説明してるが、オレはいつも昼休みに入る数分前から、売店で売られるパンの争奪戦に参加すべく、スタートダッシュの準備をしている。
……のだが、今日はちょいと事情があり、売店で昼食を買う必要がないのだ。
理由は……後で説明するからちょっと待ってネ。
まぁそれはどうでも良いとして、昼食を買う必要がないため、今日はスタートダッシュに気を揉める必要もないのだが……
「……………」
オレが隣の席の転校生に目を向けると、眠たそうな顔で黒板を見ていた。
うーーーーー…………ん…………
まぁ、とりあえず、念のため、必要ないかもだけど、一応、
「(おい……梧……)」
「………????」
オレの小声に反応し、[梧 清花]がゆっくり視線を此方に向けた。