君想論 〜2人のサヤカ〜


いや、つーか[桐のん]ってマジ誰だし。

つーか桐野くん、[桐野]なんて人は知らないし。

つーかお前、マジ誰だし……


オレの現実逃避などお構いなしに走り寄ってるくる柿金。


「桐のん♪桐の〜〜ん♪」


へにゃへにゃした声を出しながら、小動物のようにトコトコとした足取りで接近してきた。

もうヤダ……クラスメート達からの視線が集中放火でイタタイタイ。


「……もう……お前、マジなんなの……??オレに何か恨みでもあるの……??」

「ん〜、何が〜??」


素っとぼけんな!!!!クソガキがぁ!!!!!!

そう心の中で悪態をつくも……残念ながらこの天然少女はとぼけているワケでもふざけているワケでもない。

[柿金一世]にはそういった思考回路が元々通っていないのだ。


「お願いだからお前……少しは注目を浴びることに対する羞恥心ってヤツを――………」

「あぁーー!!!!サヤちゃんだ〜♪」


人の話を聞けコラッ!!!!!!


「サヤちゃんサヤちゃん♪ねーねー、サヤちゃ〜ん!!!!」

「……………」ユッサユッサ

(あわわわわWAWAWAWA………)


不機嫌オーラを醸し出していたのも記憶に新しい、机に突っ伏した[梧 清花]を超馴れ馴れしくユサユサと揺さぶるイッセーちゃん。

何故、お前は取り扱い危険物を扱いたがる!!??


オレは慌ててその愚行を首根っこを持ち上げることで制し、


「つーか、お前本当に何しに来たんだよ!!??用がないなら帰れガキ!!!!」


お小遣いあげるから!!!!


「だ〜から〜、一緒にお昼ご飯食べようよ〜??」

「断る!!!!」


前途多難必死也!!!!

回れ右して帰りなさい!!!!


「えぇ〜……良いじゃ〜ん……ねーねー……」


ハハッ、そんな色気のない猫なで声を出したって無駄だ!!!!

ただでされ、お前とは不名誉な間柄を示唆されているんだ(今朝の情報)。

ダメなものはダメなんです!!!!


「もぅ……せっかく今日は…―…―…ちゃんも連れて来たのにぃ……」


はいはい、わかったからとっとと帰――………






ん……??


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