君想論 〜2人のサヤカ〜


「この間は本当にすみませんでした。急用ができてしまって……」


まず、昨日の昼休みにオレの教室に来れなかったことを謝罪。


「あ…あぁ……別に気にしちゃいねーよ」

「そうですか♪安心しました♪」クスクス


ニッコリ笑ってクスクスという不思議な声を漏らす。

ちっくしょーめ、可愛過ぎる……[可愛い]以外の表現方法が見当たらねーぜ。

街頭100人に『椎名ちゃんを見てどう思うか』アンケート取ったら、98人が「可愛い」と答えるよきっと。

※残りの2人は「カワユス」


「良かったら、今からでも一緒にお昼ご飯食べませんか……??」


断る理由??ナニソレ、美味しいの??


「あぁ、別に構わないぜ……」


オレの返答にニッコリと笑みを浮かべる椎名ちゃん(萌えぇぇぇ!!!!!!)。


「わーい、ヤッター☆」


そして、はしゃぐ柿金(え、お前まだ居たの??)。





「大勢で食べるご飯は美味しいといいますからね♪」


そう言って歩き出した椎名ちゃんはオレの隣を通り過ぎ――………


「だから、アナタも一緒にどうですか??」

「………????」


誰に話してるんだ……??っと、一瞬頭を捻ったが、すぐに判明した。

椎名ちゃんの来訪という、あまりにも素敵なイベントを前にすっかり念頭から離れていた人物。

今現在も自席で机に伏せているジャージ姿の転校生……




「ねぇ、梧さん」


「……………」




未だに不機嫌オーラが滲み出ている[梧 清花]の机に両手をついて、臆することなく椎名ちゃんが語りかけた。


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