君想論 〜2人のサヤカ〜
オレが弁当箱の蓋に手をかけると対面の2人の深々たる興味の眼差しが集中する。
そんなに見られると緊張すんだけどなー……
いざ蓋を開けると――………
「「ッ!!!!????」」
興味の眼差しが驚愕に変わった。
椎名ちゃんは口に手を当て、柿金は後頭部をぶっ叩いたら目ん玉が飛び出そうなくらい眼を見開いている。
何に驚いているのかは考えるまでもない、弁当箱の中味についてだろう。
今日のオレの昼飯。
オレはパン派の住人だが、飽き来ることに備え、主食は米にした。
ただの白飯ではつまらないので弁当サイズ用のミニパエリアにしてみた。
具材は玉ねぎ、人参、ピーマン、プチトマトと冷蔵庫にあったミックスベジタブル(手作り)を蒸し焼きにして、コンソメとターメリックで味付けして作った物だ。
惣菜として、昨日の夕飯の残りであるバルサミコ酢を主にして作った酢豚(名付けて[バルサミコ酢豚])を今朝煮込んでアルミニウム箔に詰めて入れてみた。
余ったスペースにブロッコリーときんぴら牛蒡と糠漬けにした野菜類を突っ込んで、
はい、完成。
これがオレの今日の昼食である。
「何かこれ……すごッ……」
「すっごく手が込んでいますね……これ、誰が作ったんですか……??」
「えっ……??」
そりゃー…奥さん……
「全部オレだけど」
「「え゙ぇーー!!!???」」