君想論 〜2人のサヤカ〜


「おい……!!!!」

「………????」


オレの呼び掛けに顔だけ此方に向ける[梧 清花]。

相変わらず、目は半開きのままだ。


「パン、買えなかったのか……??」

「……………」


肯定の仕草かはどうかは定かではないが、無表情のまま首をちょこんと前に突き出してきた。


「……弁当とかは……作ってきてないのかよ……??」

「……………」


オレの質問に対して又しても首をちょこんと前に出す。

どうやら肯定らしい。

桐野くん、理解した。


「そっ…か……」

「……………」


会話が途切れると(と言うか[会話]はしていない)、又しても[梧 清花]は売店の方に視線を戻した。

その横顔はな〜んか見窄らしい。


「……………」

「……………」


何か……段々、可哀想になってきた……


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