君想論 〜2人のサヤカ〜


仕方がない……


別に板倉先生の言いつけを真のモノにしようってんじゃない。

ただ、流石に目の前で腹を空かしている転校生を見捨ててしまうのは桐野くんの良心が痛む。


ちょっとくらい思いやりを植え付けとくかね。


「おい……!!!!」

「………????」


一連の動作は先程と同じ。

オレの呼び掛けに首だけ此方を向ける転校生少女。


「これ、やるよ」

「………????」


オレが差し出した[しょっぺぇ]メロンパンに不思議がるような視線をぶつける。


「昼飯ないんだろ……??だったら食っとけよ。午後も授業あんぞ……??」

「ッ…………」


[梧 清花]は半開きの目をほんの少し見開いて驚きの表情(のようなもの)を浮かべる。



そしてここで、桐野くんは初めて[梧 清花]の声を耳にした――………













































「……受け取れない……」

「えっ……??」


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