君想論 〜2人のサヤカ〜
3分前のオレの愚かな考えを正そこう。
今の桐野くんは、この可愛らしい転校生と少しでもお近づきになりたいが為に、厳粛なる優しさを見せつけておこうじゃないかそうしよう。
「梧……!!!!」
「……??ッ……!!??」
オレは持っていた[しょっぺぇ]メロンパンを、半ば無理やりの形で[梧 清花]の身体に押し付けた。
「いいから貰っとけ!!!!オレ、今ダイエット中なんだよ!!!!」
「ッ……ちょっと……!!!!」
何か言い返した気な様子であったが、桐野くんはそれらを全て無視し、この場から立ち去ることにした。
聞けるなら、もうちょっと声を聞いていたかったが、ここはササッと引いた方が男の株も上がるってもんだ。
「そんじゃあ、オレはもう行くから!!!!」
「ッ……!!!!」
何か言いたげな様子の[梧 清花]を1人残し、オレはさっさと教室に走った――………
「……………」
_