君想論 〜2人のサヤカ〜
ここからがまた可愛らしい話。
昼休みが終わり、5時限目始まりの予鈴のチャイムが鳴った頃。
オレがトイレから教室に戻り、自分の席に座ってみると……
机の中に何かが入っている。
よく見るとそれは先程手放した[しょっぺぇ]メロンパンだ。
それは丸で定規で計られたかの様にピッタリと半分に分けられていた。
更に机の中を弄(まさぐ)って見ると、[チャリン!!]と言う小銭の音。
手に取って見ると、それは定価の半分の値段に相当する[60円]だった。
金は払わなくていいと言ったのに……
オレが視線を隣の席の転校生に向けてみると……
彼女はほんの少し幸せそうな顔をしながら口をモゴモゴさせていた――………
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