君想論 〜2人のサヤカ〜


―屋上(隅っこ)―




(うぉぉおおおおお!!!!)


オレは屋上(隅っこ)で、スナイパーのようにうつ伏せに寝そべり、下斜め45゚の角度に視神経を集中させていた。

右手には、長い年月苦楽を共にしてきた相棒の[双眼鏡]。


通称:[チラリズムくん]だ。


今日も桐野くんは、[チラリズムくん]と共に冒険の旅へ突き進むのだ!!!!

っと言うか今現在、突き進んでいる真っ最中だ!!!!


(見え……見え……見え……見え……見え……見えそーー……っで!!!!見えない!!!!!!)

「だぁー!!!!ちくしょ〜う!!!!」


大丈夫だ[チラリズムくん]!!!!

自分を信じろ君ならやれるッ!!!!

君ならば、あのレースのカーテンの向こう側に桐野くんを誘(いざな)ってくれる筈っだぁー!!!!





そうです。

桐野くんの凝視する先には、全国の男子高校生達が泣いて羨む夢の桃源郷。



【JO☆SHI☆KO☆U☆I☆SHI☆TSU】



が、花咲いていらっしゃるのである。


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