君想論 〜2人のサヤカ〜


何やらオレの脳内思考に雑音(女性の声)が混じっている。

桐野くん、そんなに異性に飢えている子だったっけか……??


「もしもーし」

「……………」


どうやらその雑音(女性の声)はオレの背後から漂って来ているらしい。

その声がまた何とも可愛らしい……








……ッじゃねぇーよッ!!!!????


「ッ!!!!????」


オレはすぐさま我に帰り、珠も恥じらう美声のする方を振り向いた。

そこに居たのは――………





「……………」

「……………」

「……………」

「……………」




「……いつもこんなコトをしているんですか……??」

「……………」




そこにはト字型の杖を左腕に握り、地面に垂直とは言い難い立ち姿で佇む……

[梧 清花]の姿であった――………


_
< 59 / 249 >

この作品をシェア

pagetop