君想論 〜2人のサヤカ〜
何やらオレの脳内思考に雑音(女性の声)が混じっている。
桐野くん、そんなに異性に飢えている子だったっけか……??
「もしもーし」
「……………」
どうやらその雑音(女性の声)はオレの背後から漂って来ているらしい。
その声がまた何とも可愛らしい……
……ッじゃねぇーよッ!!!!????
「ッ!!!!????」
オレはすぐさま我に帰り、珠も恥じらう美声のする方を振り向いた。
そこに居たのは――………
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……いつもこんなコトをしているんですか……??」
「……………」
そこにはト字型の杖を左腕に握り、地面に垂直とは言い難い立ち姿で佇む……
[梧 清花]の姿であった――………
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