君想論 〜2人のサヤカ〜
起きる……??
………????
「梧……お前、さっきからだけど……一体何を言って――………」
「桐野くん」
いざ確信に迫る質問を[梧 清花]はブツリと中断させた。
身体、首を共に90゚ずつ(計180゚)こちらに向け、オレの瞳を真っ直ぐ見据え、[氣]の入った重苦しい口調でオレに告げた――………
「桐野くん……転校生の……ソレもこんな風体のワタシと仲良くしてくれてありがとうございます……昨日、売店前でどうしたら良いか分からなくなっていたワタシに声を掛けてくれたコト……本当に感謝しています……」
「……………」
「でも……ワタシのこの心情は“半分”にしか値していない……きっと本当の意味では桐野くんに感謝の意は感じられていない……」
微妙に傷付く発言だな……
つまり……もう半分は「大きなお世話だ!!!!」ってことなのか……
「ワタシ自身は桐野くんにとても感謝している……でもそれと同時に……もっともっと別な場所で桐野くんに迷惑をかけてしまうんです……」
……………
「何が言いたい……??」
「……桐野くん……」
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