君想論 〜2人のサヤカ〜
……えらく長い沈黙が続いた。
[梧 清花]と瓜二つの少女は、相変わらずオレに鋭い視線をぶつけてくる。
流石に目の前で女の子がぶん殴られそうになっているのを見過ごす訳にはいかないので、やや萎縮しながらも負けじとオレも真っ向から対する。
途中、乱入してきたショートヘアーの少女は、一切動じる様子を見せず、未だ頭を下げてた体勢のまま動かない。
ことの元凶たる[爆走少女]は、物騒な展開についていけないようで、倉皇とオドオド、汗々、しどろもどろしっぱなしだ。クソッタレめ!!!!
「……………」
「……………」
両者の睨み合いが40秒ほど続いたところで……
「おい、いつまで掴んでんだボケッ……!!!!」
「そうさな〜……お前から危機感が消え失せるまでにしようか」
少女はより一層眼を細くし、盛大に舌打ちした後、恐ろしく冷たい口調で呟いた――………
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