君想論 〜2人のサヤカ〜


その美しい笑顔に胸がド・キュンしていると、


「[触らぬ神に祟りなし]ってことわざをご存知ですか??」

「えっ……??」

「今はソッとしておいてあげましょう。何だか余計に機嫌を損ねさせてしまったようで……」クスクス


困っちゃいましたねっと、口に手をソッと当てながらクスクスと微笑する少女。

何だか気品に溢れるその仕草に加え、日本人離れした容貌に桐野くんの目は釘付けだ。

ブロンド色のショートヘアーに白い肌、更によく見ると瞳の色にも少し蒼が入っているようだ。

カラーコンタクトか……或いは比喩などでなく、本当に外人さんなのか……??

とりあえず、日本語はペラペーラ。


「ふぇ〜ん……しーなちゃ〜ん……ごめんなさぁ〜いぃ……」


っと、今度はさっきはアタフタしているだけで、結局何もしなかった事の元凶[爆走少女]がふにゃふにゃした声を漏らしやがったコンニャローめ!!!!

もとはと言えば、全部テメェーのせいじゃねーかよッ!!??


「もう……イッセー、謝る相手が違うでしょ……??」

「あ、あ…ごめんなさぁ〜い……」


んー……別に桐野くんでもない気がするんだけどな……??

まぁ、申し訳なさそうにしているから下手に出てあげるが……


「気にすんな。何かヤバそうだったから割り込んだだけだしよ」

「ところでアナタはこんな所で何をしてるんですかぁ〜??」


ヘイ、申し訳なさそうな態度はどこ行ったゴラっ!!!!


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