君想論 〜2人のサヤカ〜


「あぁ、そう言えば今、授業中でしたね。言われてみれば……さっきの方もアナタも、どうしてこんな所にいらしたんですか……??」クスクス


それは桐野くんがお授業をおサボりになっていたからだよ。

まだその告白に至っていないというのに、この少女のクスクス笑い声は、暗に「もしかしてサボリですか?(笑)」っと告げているようだ。

何となく気分が悪いから、話を車線変更しよう。


「そう言うキミらこそ、こんな所で何してんだい……??」


父さんに話してごらんなさい。


「私達は教室に忘れ物を取りに来たんですよ」

「うぅ……わたしが体育でバレーしている最中に忘れ物に気づいてしまったから、しーなちゃんに付き添いを頼んで一緒に取りに行ってたんですぅ……そしたらあの人とぶつかってしまってぇ〜……」


体育の忘れ物……??


「筆記用具とか……??」

「いえ、体育館シューズです」


えっ……??

裸足でバレーしてたの……??


※↑「バレーしてる最中に忘れ物に気づいて」




どうやら、この“イッセー”と呼ばれる[爆走少女]はド天然ガールらしい。


「はうぁ!!??と言うか、早く取りに行かないと先生に怒られちゃうぅ〜!!!!しーなちゃん、わたし、先に取りに行ってくるねっ!!!!」

「あ、廊下は走っちゃダメだからねっ!!??」

「うん!!!!わかったー!!!!!!」




ピューーン!!!!!!


ウッホ、すげぇーBダッシュ!!!!

マ●オも[M]帽子を脱帽だ。


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