勝手に好きです!
「泣くな、見苦しいから」
真さんが少し困ったように眉を曲げる。
いや、 泣くなって方が無理なお話。
「じ、じん゛ざぁぁんっっ」
「…くっ、だからヤなんだよ」
ため息をついた真さんに私は抱擁とう名のタックルをしたいのを堪えて、ゴクリとその麗しいお姿を見上げた。
「『おまえ』って呼ばれたぁ!親にも呼ばれた事ないのに!という事はあれだよね!?これはもう、家族以上?つまり恋?いや愛!?」
感極まってついに両手を広げれば、問答無用に真さんの冷たい声が落ちてくる。
「救いようのないアホ」
ああ、今日も素敵だ。