勝手に好きです!

「ちっ、相変わらず高飛車な男だ」

悪態をついたのはハル。可愛い弟でも許さぬよ。パっカンと頭を叩いて、標的をハルにロックオンしたギャラリーのお姉さん方の群れに放り投げた。

「ね、姉さん!ちょ、ちょっと待ってよ!」

「やだぴ」

「なにその可愛い言い方!萌!」


群れに埋もれていく若干変態の弟をもう振り返る事なく私はスタスタと帰り道を急いだ。



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