勝手に好きです!

とりあえず、話が逸れたけれど、真さんは蓉子さんの夫とは知らずにお父さんの整体院に訪れたのだ。すごいよねー、やっぱり運命の糸で結ばれてるんだろうな。うん。


「そんな糸があったら今すぐ切らなきゃね」


ハルが艶やかに微笑んだけど、無視。


「じゃ、お父さんは行くからね。蓉ちゃんも仕事行きなさいよ~?」


お父さんが柔らかに首を傾げると、蓉子さんが下唇を突き出して「分かってるわよ」と小さく拗ねる。だけど、


「そこまで一緒に行こうか~」

と言うお父さんの当たり前の口調に、

「…っつ!いいわよ?仕方ないわね!そこまでいうなら一緒に行ってあげるわ!」


なんて、頬を染めてたけれども。

玄関先から、駐車場までの僅か過ぎる道。

んぅ、素晴らしきツンデレ。

あれ?刺身はどうするの?


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