勝手に好きです!

昼間と同じ濃紺ストライプのスーツ。良い香りがしてクンクンと鼻を鳴らす。


フンフンっ


「…やめろ」

抑揚のない声がすかさず落ちてきた。夢で声までこんなクリアに!感動だよ!


「………」

思わず涙ぐむと深い深すぎるため息が聞こえた。
それから、妄想真さんは私を引きずったまま玄関から廊下へ歩いて行く。「お邪魔します」と靴を揃える所が真さんらしい。


やだもう、かっこよすぎる。


< 42 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop