勝手に好きです!
「社長はまだ、だな。全く。おまえらの家族は俺を何だと思ってる」
リビングを見渡して真さんがフゥとため息をつきながら髪をかきあげる。
「なんだ?いい加減離れろ」
ものすごく嫌そうな目つきで私を見た後、「こっち見んな」と一言。無理です!しがみついたままの両腕を引きはがすと真さんは眉間にシワを寄せた。
夢、夢?夢じゃないのか?これ?
頭にハテナマーク。目の前にいるのはどうも真さんに見える。そこまではいい。だけど、なんで?……なんででもいっか!とりあえずまた抱きついておこう!
自己解釈でまた真さんに飛びついたけれど、見事にスルーされた。