チャンピオン【完】
さっきのマグマは私が同じ事をした時に待っていてくれたが、ミコトはヒラリとそれを避けた。
スカった貴丸は胸を打って苦しがっている。
そうだよ、私プロレスみるときいつも思ってた。
『こいつらなんで避けないんだろう』
『なんでロープに飛ばすと、必ず戻ってくるんだろう』
全てが嘘クセー!!って。
ミコトがなにやら素敵な技の名前を叫び、貴丸に掴みかかった。
無理だろ、常識的に考えて。
しかしあり得ない事に貴丸がミコトの頭を超え、後ろに投げられた。
派手な音を立て倒れた貴丸を、すかさずミコトは抑えにかかる。
カウントが終わる寸前、貴丸の肩が浮いた。
始終そんな感じであった。
兄貴二人は、女子が出てくると面白いほど一方的にやられてくれた。