チャンピオン【完】
空いたリングで私とミコトはペチペチとやり始めた。
「行くわよ! ネオ・レインボー・ハリケーン!!」
ミコトのその技は、私にはネコヒ〇シがやる昇竜拳にしかみえない。
その後も「ホット・キュート・ハート・ヒット!」とか、「スーパー・スターダスト・ドリーム!」とか言いながら変な技を仕掛けてくるので、私も仕方なく付き合うことにした。
「ロングアイランドアイスティー!」「コスメティックルネッサンス!!」「カーネル・サンダース!! どうだ~!」
横文字っぽいもの並べただけだけど。
「あはは、いいぞ詩☆ でもそれ若い子知らないんじゃない?」
私の必殺技に、リングサイドの兄貴だけが手を打って喜んでいた。
続けて「えい!」とか「やぁ!」とかやってみるものの、会場全体が場外を見ているから、あんまり気合も入らない。
寝技になって、こんなの貴丸やってたっけな~... とミコトの腕に足をかけたら、なにかの技が決まってしまった。
「ひぃ! なにすんのよド素人!」