チャンピオン【完】
「ウルセー!!」
昂ぶる会場の雰囲気に、私も高揚している。
ミコトはジタバタ暴れたが、思いのほか綺麗にその技は入っているらしかった。
あれ? これ勝てるんじゃね?
その瞬間、私の中の悪魔が笑った。
勝ちたい。
いくらシナリオがあったって、どうしてあんなに強い貴丸が負けなきゃなんないわけ?
「れ、レフリーさぁん... 」
場外を覗きこんでいたレフリーがギョッとして振り向いた。
その焦った顔を見ても、我々が勝ってはいけない事がわかります。
「カウントしてぇ?」
「う、うーん... 」
迷ってないで、早くカウントはじめてよ!!
「キャー!! いや!! 助けてマグマー!!」