チャンピオン【完】
話しかけられてまで無視する気はないのか、一応挨拶は返してくれた。
どうやら年長者としての常識は持ち合わせているらしい。
「...... 」
「...... 」
だが、会話は続かない。
貴丸は自分の名前の書かれた2リットルのスポーツドリンクのペットボトルを煽り、直接喉を潤している。
身体もデカイが、やる事なす事豪快だ。
「グラスあるよ」
もしかしたら知らないのかもと思って、私は棚を指さして教えてあげることにした。
彼は片眉を上げて今気がついたように私を見た。
「めんどくせえ」
私の親切に対して返って来たのは礼ではなく、その短い言葉でした。
野蛮。
最低、こんなの嫌い。