チャンピオン【完】
8※ステイインタッチ
※
私が練習を開始し、数日がたった。
私はジョニー隊長の鬼のシゴキに耐えた。
自分たちのトレーニングのあと、疲れているというのに、何故か私につきあってくれる練習生くんたちの存在も頼もしい。
なんだか今まで脳筋連中と呼び、嫌いまくっていて悪かった。
ジョニーズ・プログラムは応用編に入っていた。
しかし。
腹筋編から応用編にDVDを変える時、私は気がついてしまった。
私が必死に頑張っているのは、軍隊式トレーニングではなく、軍隊式エクササイズであった。
また絶対気づいているはずなのに、誰もそれを私に教えてはくれなかった。
「こんなんで、勝てるのかなぁ... 」
足手まといになりそうで嫌だ。
しょんぼりとした私の呟きを聞いた兄貴が、にこりと笑ってカルテを閉じた。
「詩は勝たなくてもいいんだよ♪」
「え」