チャンピオン【完】
嗚呼、恐ろしい見た目な上、なんて暑苦しい物言い。
こいつも私が一緒に歩きたくないタイプの男だ。
『見てるか、貴丸! 仇は俺が討つ!! お前の命はあと... 』
マグマの長い口上に、待ちくたびれたポニーテールがマグマからマイクを奪い、シナを作った。
『ミコトもがんばりますぅ♪
ちょっと怖いけど、つっよいマグマが一緒だから負けませぇんっ☆』
「...... 」
これが妃ミコト。
こんなのに負けなくてはならないとは、シンジラレナイ。
「殺すって言われてるよ」
「逆に殺したるわ。一人も二人も一緒だからな」
貴丸のその冗談は、ちっとも笑えない。
もう対戦相手に興味をなくして練習に戻ろうとしている彼の手を、私は掴んだ。
でも掴んだまま引き摺られた。
「なんだよ」