チャンピオン【完】
9※ハグミー
※
Q太郎が「『俺の秘密』に関して報告せよ」と煩いので、昼休みに机を寄せ合った私たち。
話を聞いたQ太郎は、興奮していた。
「暗い過去はイケメンの条件だよ!! 私、そういうのテレビで見た!!
くぅ! そんな彼氏いいなぁ〜」
それは間違った情報だ。
イケメンの条件は、女子にモテること。
プロレスファンの男に人気があるなんて、方向が真逆。
「よくないよ、彼氏じゃないよ。しかもイケメンじゃなくてガチムチ兄貴だよ!!」
私は最後に残しておいたハート型の玉子焼きを口に放り込んで合掌した。
玉子焼きはお砂糖入りに限る。
そこんとこ兄貴は良くわかっている。
「イケメンていえばさぁ~、了くんのクラスのモデルのしげるんいるじゃん?
この前お話しちゃった」
「マジで!? 私にも紹介して!!」
「チャラい。それほどでもなかった」
「な、何様だよ、詩... あんた、男出来たからって調子こいてる... 」