チャンピオン【完】

10※ピーチストック





試合日の前日。

全てのなんとか・ブート・キャンププログラムを終えた我々の間に、充実感が漂っていた。


「絶対途中で投げ出すと思ったんですけど、詩さんすごいです!」

「女子高生パワーをわけて頂きました! 有難うございます!」


「いえ、... そんな」

この練習生くんたちとは、戦友の気分だ。この気持ちは一体何だ。

戸惑いを隠せない私の元に、状況を更なるカオスに巻き込むジョニー隊長がやって来た。


「オ前等ハ良ク頑張ッタ。全員卒業ダナ」

「隊長のおかげです!!」

違うだろ。自分たちが頑張った、それだけだ。

ジョニーはただ、ストレス解消に鞭を振るっていただけではないか。



なにこの感動空間、気持ち悪い。


「イヨイヨ明日ダ。俺ハ牛丼屋ノバイトガアルカラ行ッテヤレネー。
ソコデオ前等ニ、コレダケハ覚エテオイテホシイコトガアル。ソリャアナ... 」

ごくり。

勿体ぶりやがって、どんな含蓄ある言葉を述べるつもりだ。

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