チャンピオン【完】
10※ピーチストック
※
試合日の前日。
全てのなんとか・ブート・キャンププログラムを終えた我々の間に、充実感が漂っていた。
「絶対途中で投げ出すと思ったんですけど、詩さんすごいです!」
「女子高生パワーをわけて頂きました! 有難うございます!」
「いえ、... そんな」
この練習生くんたちとは、戦友の気分だ。この気持ちは一体何だ。
戸惑いを隠せない私の元に、状況を更なるカオスに巻き込むジョニー隊長がやって来た。
「オ前等ハ良ク頑張ッタ。全員卒業ダナ」
「隊長のおかげです!!」
違うだろ。自分たちが頑張った、それだけだ。
ジョニーはただ、ストレス解消に鞭を振るっていただけではないか。
なにこの感動空間、気持ち悪い。
「イヨイヨ明日ダ。俺ハ牛丼屋ノバイトガアルカラ行ッテヤレネー。
ソコデオ前等ニ、コレダケハ覚エテオイテホシイコトガアル。ソリャアナ... 」
ごくり。
勿体ぶりやがって、どんな含蓄ある言葉を述べるつもりだ。