チャンピオン【完】
「... 馬鹿じゃないの」
「オット、オ前サン他人事ダトオモッテルナ?
女ニオキカエリャ、『但しカワイコチャンに限る』ナンダゼ。
オ前サンニ男ガ出来ナイノハ、ソウイウコッタ」
「え!?」
「デハ明日ノ健闘ヲ祈ル」
みんなが立ち上がり、姿勢良く去ってゆくジョニーに泣きながら敬礼している。
私はその時、一人だけ膝を折っていた。
そういうこと!?
私に彼氏ができないのって、だからなの!?
でも、だからって一体何がだよ... ?
「なにやってんだ」
「....... 」
膝を折ったままどれくらい時が経ったのか、練習生くんたちはみんな引きあげたようであった。
それはこっちの台詞だ、と私は貴丸を睨んだ。
「私は、ちょっと考え事」
「そうか。俺もなんか眠れないから、200回くらい腹筋でもするかなーと思ってよ」
試合前夜に何考えてんだ、死ぬよ。