チャンピオン【完】
明日の試合に緊張しているのは同じってわけ?
貴丸はフンと言って再び腹筋運動に入った。
前にも思った事があった。
まともに顔に打撃を受けないであろう彼は、男らしい整った顔してる。
しげるんみたいな中性的で綺麗な男の子が好きな私にはぜーんぜん好みではないが、きっとこれがいいって子もいるんじゃない。
「あのさぁ、ビビアンて、可愛かった?」
なに聞いてるんだ私。
元カノの話なんて、あなたが気になってます! って言ってるようなものではないですか。
私は口にしてからしまったと思ったが、貴丸は再びいつも通りの無表情。
何考えてるのやらさっぱり不明です。
「可愛くなかった。格闘技オタクで、油断してるとドラゴンスリーパー仕掛けてくるような女。
全く心休まる隙がねえ」
「へ、へぇ... なんでそんなのと付き合ってたの」
「可愛くないのが好きだから?」