チャンピオン【完】
マニアックだ。
落ち込んだ今の私に必要なのはやはり、しげるんや了くんみたいな一般的男子の意見だ。
起き上がった時の顔が近すぎる。
これ、もう少しでも私が前にズレたら、キスになる。
そんな事を思ったら、本当に唇が触れた。
さっきよりも少しだけ彼の腹筋に力が入っただけ。
あっという間に離れて、貴丸の顔はまた後ろにスローで倒れて行く。
起き上がったついで、みたいな感じだった。
「... なんでちゅうすんの」
「さぁね? わからない」
わからないと言いながら、また起きた時に唇はそっと重なる。
「わかんないならしないでくれます? パワハラだ。セクハラだ」
「わかんないから、わかるまでするわ」