チャンピオン【完】
昨夜、夢でないのなら。
破瓜の痛みを超えた後、私はあの首に手を、逆十字の背中に足を絡め、惜しげもなく与えられる甘美な快楽に声を上げた。
眠れないと言っていた貴丸は、私を抱き枕にしてあっさりと眠りについた。
その背後からの拘束を起こさないように解くのがとても大変だった。
私は自分の部屋に戻り、一人目が覚めた。
食堂で顔を合わせた貴丸は、何を言ってくるでもなく普段通り。
私は拍子抜けした。
あれだけ情熱的に愛し合ってしまって、てっきり今日から彼女扱いなのかと。
ベタベタしてきたりしたら、
『勘違いしないでよね!!』
ってハッキリ言ってやるつもりだったのに。
予定が狂った。
なにこの放置プレイ。