チャンピオン【完】
みんなと別れて女子更衣室で例の衣装をとりだした私は、その紐のような物体を指でつまみ上げ、改めてゾッとした。
身につけてみて、確かに似合ってしまっている事実にも愕然とした。
ジョニー隊長のエクササイズ効果は抜群だったらしい。
しかし恥ずかしい。
試合までは兄貴のグランドコートでも借りて、誰にも見られないようにしていよう... 。
おもむろに仮面をつけ、どうか控室までの廊下で誰にも会いませんように!! と思った。
「あら... !?」
「!?」
誰もいないと思っていた女子更衣室の中で、声が上がった。
「ここにいるってことは、あなたもしかして... 」
なんか変なの、きた。
ツインテール、へそ出し、きらめくピンクのパレオ付き水着。
どこかで見た事ある顔。
「私は今日の対戦相手♪ 女子プロ界のスーパーアイドル! 妃ミコトでぇす☆」
目元でブイサインをして腰に手を当てるポーズ。