チャンピオン【完】
何事?
彼女は同情したように、ぽかんとしている私の手をとった。
「女子高生の素人さんなんですって? 怖いでしょ? かわいそうだわ。不安よね」
彼女は女子プロレスラーというよりも、戦隊物のピンク的ポジションの人に見えた。
「... セーラー、戦士です」
畜生、このリングネームつけたやつ誰だ。
「ところでそのリングネーム、ちょっと私と被るのよねぇ。
それにそのコスチューム」
ミコトは無遠慮にジロジロと私の女王様衣装を眺めた。
「わっ、私より露出高いじゃない!? ま、まさか、それでマグマを誘惑しようっていうの?!」
「... 」
女子にも脳筋いるのかよ。
私は絶望した。
ミコトは何かブツブツと呟いている。
「私のマグマをそんなに淫らな格好で... 許さない... そんなの許さないわ... 」
この女、私が苦手とする梨沙タイプだ。
お前の男になんて、興味ないっての。