桜歌
「そうそう!今日すごいかっこいい
子が入学してくるんだって!」
元々大きな瞳をしっかりと開いて
少し興奮気味にヒカリが言った。
その発言に、私はやれやれと
肩を落とす。
ヒカリは大の年下好きで、
過去に年下以外とは付き合った事が
ないらしい。年下が無理な私には
理解することは不可能だ。
「私は絶対年下無理」
私の考えを代弁するかのように
明里がそう答ると、え~っと眉を
下げてヒカリが反論する。
「年下の何がダメなの~?!」
「頼りがいなさそうだし、弱そう」
「そんなことないもんっ!」
そんな2人を落ち着かせようと
杏樹が口を開いた。
「まぁまぁ2人とも、人それぞれ
なんだからそんなに熱く
ならなくても…、」