灰色の羽
気は進まないが、この面倒な事態は可及的速やかに終わりにしたい。


煙を胸いっぱいに吸い、吐き出したあと寝室のドアを開けた。



「あれ?」


思わず声に出た。
期せず少女はベッドにその姿を置いてはいなかった。


しかし、残念なことに、すぐにそれを見つけることとなった。


少女はシーツをまとい、部屋の隅にちいさくなっている。


昨日とは違い、その目の焦点は虚空をさまようことなく、まっすぐに私を見つめていた。



ただ…まっすぐに見つめているのだが、明らかに怯えをふくんでいる。



そんな目で見ないでよ…
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