灰色の羽
その子は私の家の玄関の前に、体育座りのように体をまるめていた。

あのバカが着せただろうブカブカのパーカを羽織り、着ていた白いワンピースは泥で薄汚れている。


「……え?」


あっけにとられた私が二度も漏らした声に反応したのか、その子はこちらに顔をあげた。


大きな目、白い肌、青紫色に変色したの唇、長い黒髪、




人形のようだ。




そして、





そして、





それはこの世で私が忌み嫌う物の一つだった。



子供…


うるさい、わがまま、傲慢、意味不明、その他もろもろ…



…最悪だ。



最悪な物が揃った。
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