灰色の羽
それを発見してからの私の行動は早かった。


すぐに携帯を取り出し電話をかけた。
相手はすぐにでた。


「もしも…」


「今すぐうちに来なさい!5秒以内!」


言い終わるとすぐに通話を切った。


ありえない。
なんで私の家にこんな物が…


感情がまとまらない。


思考が迷路に迷い込んだようにただ走り回る。
いや、止まってるのかも。


などと自己分析もできない程混乱していたところ、私の家の向こう側、隣の家のドアが開いた。


出てきた人物に私は猛然と歩み寄り、その胸ぐらを掴み叫んだ。


「パト!意味分からないわ!どういうことか説明しなさい!」


「あ、マキおかえり。いつも言ってるけど僕の家からきみの所までは最短でも12秒はかかるから5秒は無理だよ?」


「うるさい!言い訳しない!それよりあれは何か説明しなさい!」


私は自分の家の玄関を指差した。


「ん?」


パトは中指で眼鏡のブリッジを上げ、視線を私の指差す方へずらす。


「何って女の子でしょ、ずぶ濡れの。」


冷静に言われると余計にイラ立つ。
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