片翼の天使達
レイブンは自分の檻の前に座る少女を布の隙間から見る
首筋からこぼれた紅い髪
本当にいたのだ異端な人間が、自分以外に………
こぼれた少しの髪でさえ、赤毛と言うような色では表せないほどの深紅
胸の奥で波立つように何かが揺れる気がした
……ソレを何と呼べばいいのか、レイブンはわからなかった
レイブンは檻の間から腕を伸ばし、少女を羽交い締めにした
小さな少女の身体が一気に強張る
その耳元で囁けば、少女は予想道理の反応を返してきた
「……何、言ってるの?」
「しらばっくれるなよ………『燃える鬼子』さん?」
軽く波打つ紅い髪をすくい上げれば、少女は振り払ってこちらを向いた
鉄の檻越しに、琥珀の瞳とぶつかった
真っ直ぐにレイブンを見返す瞳は驚愕で見開かれる
その表情をみてレイブンはわかってしまった
彼女も見つけてしまったのだ
自身と同じ………異端な存在を