片翼の天使達



「あんた大丈夫!?」



フェニは川辺に膝をついて倒れた少年を覗きこむ


その時、少年が薄く目を開いた、浅く呼吸もしていたのでホッとする



その時、後ろからレイブンが冷たい声音で言い放った


「ほっとけそんな奴」



ムッとしたフェニは、振り返ってレイブンに文句を言ってやろう思った


いくら逃げている身だからと言って倒れた人間を放っておくことは出来ない



しかし、フェニが何か言う前に倒れた少年がのほほんっと呟いたのだ





「ありがとう……大丈夫だから行っていいよ」





フェニはポカンとした



今、コイツはなんと言った?



レイブンも同じく呆れたようにポカンとしていた



少年がヘラッと笑った
それを見てカッとなったフェニは怒鳴り付けた



「そんな格好で大丈夫だなんて言うな!!」



すると、少年はキョトンとしてフェニ達を見上げた



澄んだ瞳が二人を映す



少年は力なく頭を地面に擦り付けたまま、ふわりと微笑んで意識を手放した









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