片翼の天使達
「クシュッ」
暖かい、と思ったが風を感じてくしゃみがでる
それで目を覚ましたカムイは起き上がった
鎖の感触がしないと思ったら薄い毛布に包まれていた
「おい」
上向けば漆黒の瞳とぶつかった
「おおっ、キレー」
瞬間的に呟いたカムイに漆黒の目と髪を持つ少年はガクリと肩を落として呆れ混じりにため息を落とした
「はいっこれ着なよ」
振り向けば紅い髪の少女が蜂蜜色の瞳をカムイに向けて、木に吊された衣類を回収していた
それが自分の服だと気付き、今パンツ一丁だと気付く
毛布に包まれてはいたが寒いはずだ
「紅い髪もきれいだね」
少女の紅い髪もとても珍しくてカムイは思ったままのことを口にした
服を回収していた少女は顔を赤くして、持っていた服をカムイに投げ付ける
「なっ、何言ってんの!」
「あはは、助けてくれてありがとう。僕はカムイ。君たちの名前は?」