片翼の天使達
カムイと名乗る少年にレイブンとフェニは質問をぶつけていた
「あんた何であんな所にいたの?」
「……てか、何で……その、無いわけ?」
白い服を着ながら、カムイと名乗る少年はチラリと二人を見る
レイブンの濁した言葉の意味もわかっているだろう
だが、カムイは飄々と答える
「ちょっと保護者とケンカしたんだよ。さすがに死ぬかと思ったよ!川って結構深いんだね」
そういう問題じゃねぇ!!
フェニとレイブンは同時に心中で突っ込んだ
笑って答えられるカムイを激しく異常だと思う
もうどこから突っ込んだらイイかわからない
カムイは二人の反応に気付く事無くさらりと告げる
「後、翼は生まれた時からないんだ」
「えっ!」
フェニは思わず声を上げた
……生まれた時から、ない?
「……どういう、事だよ」
ない事などあるはずない
どんな人間にも平等と言っていいほど当たり前の事実のはずだ
レイブンもフェニも混乱した