片翼の天使達



頭を掴まれたカムイは首がもげるかと思った



「何するんだいフェニ」



「うっさいわね!黙ってなさい!」



ひどい言い様だと思ったがフェニの気迫に呑まれてカムイはおとなしく黙った



フェニは内心ハラハラとしていた
衛兵まで出てきて、騒ぎになれば自分たちは捕まってしまう



レイブンは人ごみにまぎれて二人から距離をとる


カムイはともかく、マント姿のフェニと自分は目立ってしまう



「…こちらでよく注意しておくから、今日の所は見逃してくれないか?」



衛兵の男は苦笑しながら店の主人に取り成してくれた


店主はよく言っといてくれよ、と言って見逃してくれた



騒ぎにならずにすんでフェニはホッとする



「たくっお金も知らないなんて」


「おかね?」



「……本当に知らないのか?」



二人の会話を聞いていた衛兵は呆れたように呟く



「旅の者か?にしては若すぎると思うが、保護者はいるのか?」









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