片翼の天使達



幼い頃にあげた二人の瞳と同じ色の髪飾りがシャラリと揺れた



身体を起こした少女……ユアンは視線を兄の後ろに向けた



ゆっくりと顔を傾ければ、感情の感じ取れない漆黒の瞳と目を大きく開く紅い髪の少女がいた



きれい……そうユアンは思った



色彩が鮮明に自身の瞳に入ってくる感覚は、ユアンに目が覚めるような刺激をもたらす


鳥籠の周りに来る人々のような厭な眼差しでないのもくすぐったい気持ちにさせた


そして、一番見たかった色に出会った



淡い金糸の髪、紫暗の瞳は透き通るように澄んでいた







「……なんで…泣いてるの?」







ユアンの口から自然と零れた言葉はだった



交わった視線の先に何かを感じたのかもしれない



いや、ただ彼の表情がそう見えただけなのかもしれない……



深い紫暗の瞳は一つ瞬いて哀しげに微笑んだ





「わかんない……」









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