禁断の恋人





「いってきまーす!」

僕は家を出た。
僕は学校まで歩いて登校している。


でも…

この通学中に……いつも…

いつも……


あいつが…!


ガバッ

「りょ〜うちゃ〜ん!今日も可愛いね★」


「…ちょっ!重いぞ一也!!!」

「いやー今日も可愛かったもんだからつい★」


この馴れ馴れしい男は、
井上一也。僕の幼なじみで、同じ白専高校で、ついでにいうと同じクラスの奴だ。
見た目はチャラい感じだけど、
頼りがいはある…。
僕の自慢の友達だ…


「『つい★』っで済まされる問題じゃない。
しかも僕は可愛くない!」

「そんなにすねんなよー
俺が悪かったって!だから一緒に学校行こーぜ!!」

「なんでそうなる!!」

「まぁまぁ、学校行こーぜ(笑)
遅刻するし。」


毎朝僕達はこんな感じ…
学校に着くまでたわいもない話をして歩く。
(まぁ学校着いてからも、くだらない話ばっかりだけど。)

「あっ!そういえば凌知ってるか??
今日俺達のクラスに転校生が来るって!」

「転校生?今頃…?」

「親の都合らしー」

「なんで一也がそんなこと知ってるんだ?」

「職員室で聴いたんだー」


転校生…か……。

「ふーん…」

―この時の僕はまだ知らない。
僕が"転校生"に恋をして…
そしてあんな"事件"が起きるなんて――


僕は決して知らなかった…。
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